ザリガニ心臓を構成する筋繊維の膜電位応答と収縮力の測定


 ポンプ運動を行う心臓の各部位を構成する筋の性質にどのようなバリエーションがあるか調べるために,心筋,心門弁の筋,心臓血管弁の筋繊維の電位応答ならびに機械応答特性を測定した。
 筋繊維の性質を比較する場合,筋繊維への神経入力を除外した条件下で,できるだけ定量化され,人為的に制御されうる刺激を,筋繊維のみに与える必要がある。本実験では,単離した心臓標本を用い,フグ毒テトロドトキシンによって,心臓神経節からの神経入力を抑えた。また,定量的な刺激として,細胞内微小電極にを介したパルス状電流の注入を行った。
 

実験セット

    単離心臓もしくは血管弁標本は実験チャンバー中のシルガード樹脂ブロック上に,目的とする筋繊維を傷つけぬように,周辺の結合組織をピンで固定し,TTX(フグ毒,0.1-1M)を含む新鮮なザリガニ生理塩類溶液で灌流した。TTXにより心臓ペースメーカーである心臓神経節ニューロンの自発活動が押さえられ,拍動は停止する。
    また,甲殻類の囲心腔ホルモンオクトパミンドーパミンセロトニンプロクトリン)を含む溶液で灌流することにより,それらホルモンが筋繊維にどのような作用を及ぼすか調べた。

筋繊維の膜電位応答および収縮の同時記録

    図左,心門筋ならびに心臓血管弁での実験;図右,心筋での実験。
    筋繊維の膜電位応答並びに収縮応答の同時記録を,ガラス微小電極ならびにストレインゲージ(抵抗線ひずみ計)を用いて行った。ストレインゲージのプローブを弁開口部の一端あるいはY状の筋繊維が結合組織と接している部分に挿入し,反対側をタングステンピン,もしくはかぎ状のガラス棒で固定した。
 筋繊維の刺激は通流刺激用微小電極を介して行った。Vm: membrane poetential.

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